「テスラ1強」の崩壊? 米Z世代の7割が「中国製EV」を支持する根本理由

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米国は中国製EVに100%の関税を課し流入を止めた。それでも消費者の関心は消えていない。調査では中国車の購入検討が38%、Z世代では69%に達した。販売現場の警戒と消費者の実利志向の間で、米国EV市場の勢力図が揺れ始めている。

保護政策に支えられた優位

米国EV市場:政治と消費者。
米国EV市場:政治と消費者。

 消費者が車を比べるとき、判断の軸になるのは信頼性や知名度、ブランドの価値だ。現状では米国ブランドが優位に立つ。EVでもガソリン車でも、テスラとシボレーは魅力や購入検討の面で中国の競合を大きく上回っている。

 ただ、この優位が揺るがないわけではない。価格が視野に入ると、消費者の選び方は少し変わり始める。中国車が大幅な値下げで売られた場合、相当数の消費者が米国ブランドから乗り換える意思を持つことが調査からわかっている。とりわけ

・所得が低い層
・価格に敏感な層

では、中国車が急速にシェアを広げる可能性が高い。

 カナダが関税を引き下げ、輸入車の受け入れを認めたことで、中国車への関心が再び高まっている動きも見逃せない。若いZ世代の間で中国車に目を向ける人が増えていることを踏まえると、米国市場に変化が起きる可能性は高い。

 米国で中国製EVの普及が進めば、その流れは将来、日本市場にも及ぶだろう。米国メーカーが中国の技術を取り込み競争力を保とうとすれば、日本車は進化した中国車と、その技術を積んだ米国車の間に挟まれる。結果として、独自の立ち位置を失う恐れもある。

 いま米国ブランドが保っている優位は、関税や補助金といった保護に支えられている面が大きい。消費者が実利を重んじて選び始めれば、その壁は内側から崩れていくだろう。

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