「キムタクが乗るなら、やっぱりEVだよね」 スターの洗練イメージに共感する一般層――ネットアンチの過激バッシングは世間とズレているのか?

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日本のドライバー1000人調査で、EVは価格や充電の不便さで購入に慎重な一方、静音性や環境配慮では高評価。現実の制約と理想像の隔たりが普及を遅らせている現状が浮かび上がった。

実用と象徴の分裂

2026年3月2日発表。主要12か国と北欧3か国の合計販売台数と電動車(xEV)販売台数及びシェアの推移(画像:マークラインズ)
2026年3月2日発表。主要12か国と北欧3か国の合計販売台数と電動車(xEV)販売台数及びシェアの推移(画像:マークラインズ)

 これまでの話をまとめると、EVに対する見方は明確にふたつにわかれる。日常の道具としては、価格が高い、航続距離が短い、充電が手間といった厳しい声が並ぶ。一方で、憧れの対象としては「スマート」や「クリーン」といった肯定的な言葉が選ばれている。道具としては厳しく評価されるが、暮らしの象徴としてはすでに歓迎されているのだ。

 ネット上でEVを執拗に批判する人々は、この世間が抱く「憧れ」の側面を見落としている。彼らが無価値と切り捨てるものを、多くの人は未来の便利で洗練された生活として肯定的に捉えている。

 この評価のちぐはぐさこそが、普及が進まない本当の理由を示している。足踏みが続くのは、イメージが悪いからではない。むしろイメージだけが先行し、家計を守ろうとする現実的な損得勘定を納得させる経済的な魅力が十分に示されていないためだろう。ランキング10位の出川哲朗が旅番組で「電気がなくなる」と慌てる姿は、多くの人が抱く最も身近なEVの現実を映している。しかし、世間はこの光景を日常のハプニングとして楽しんでおり、ネットの住人のように憎悪の材料にはしていない。

 環境のためという社会的な理由と、高額な買い物という個人の負担。このふたつがぶつかり合う結果、現状では自分の財布を守りたい気持ちが優先されている。しかし、これは商品への拒絶ではなく、現実的な購入時期を見極める消費者の判断である。アンチが不買を叫んでも、世間の期待感はすでに彼らの届かない場所にある。

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