「一社ではもう戦えません」 ウーバーと組む日産の逆転劇? ロボタクシー市場26兆円「利益・主導権」は誰の手になるのか
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世界のロボタクシー市場は2025年の33億ドルから2032年に1653億ドルへ拡大する見通しだ。日産がウーバーと組む自動運転の協業は、その巨大市場をめぐる主導権争いの一幕にすぎない。いま問われているのは車の性能ではなく、移動データと配車ネットワークを握る企業が誰かという構図である。
経済圏の戦い

日産自動車が米配車サービス大手のウーバー・テクノロジーズと、自動運転分野での協業に向けて最終調整を進めている。日産は電気自動車「リーフ」を基にした自動運転車を供給し、数年後には無人の配車サービスを始める考えだ。
この動きは産業の主導権がどこへ移りつつあるのかを示す事例でもある。競争の場が車そのものの性能から、移動サービス全体を束ねる巨大な経済圏へと移っているためだ。ウーバーのダラ・コスロシャヒCEOはロボタクシーを
「1兆ドル(約160兆円)超」
の市場機会と語り、アジア太平洋を重要な成長地域と位置づけている(『Business Insider』2025年12月19日付)。
自動運転の主導権争いはもはや車両だけの話ではない。車、AI、データ、配車ネットワークが結びついた産業全体の競争へと移っている。個々の技術を競う段階は過ぎ、どの経済圏に属するかが企業の将来を左右する局面に入った。
この枠組みのなかで日産の車両は、ウーバーが動かす移動サービスへ接続される機器としての性格を強めていく。高度な車両制御技術を持っていても、その多くはプラットフォーム側のプログラムから呼び出される機能として扱われる。巨大なネットワークを構成するひとつの部品として組み込まれていく。