「一社ではもう戦えません」 ウーバーと組む日産の逆転劇? ロボタクシー市場26兆円「利益・主導権」は誰の手になるのか
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世界のロボタクシー市場は2025年の33億ドルから2032年に1653億ドルへ拡大する見通しだ。日産がウーバーと組む自動運転の協業は、その巨大市場をめぐる主導権争いの一幕にすぎない。いま問われているのは車の性能ではなく、移動データと配車ネットワークを握る企業が誰かという構図である。
日本企業が苦戦する理由
日本企業がこの競争で主導権を握れない理由は技術力の不足ではない。むしろ技術を個別に完成させる力が高いことが裏目に出ている。結果として車両や部品、個々の技術の単位で完成度を突き詰める方向に進みやすい。
ネットワーク型の商売では進め方が異なる。まだ完成していない段階で市場に出し、利用者とのやり取りのなかで改良を重ねていく。この発想の差は大きい。完成度を十分に高めてから世に出そうとする企業は市場が広がる速さに追いつけず、やがて取り残される。
日本のロボタクシー市場は2025年の1億3750万ドルから、2034年には122億2870万ドル(約1兆9300億円)規模へ伸びると見込まれている。年平均成長率は64.65%と極めて高い(グローバルインフォメーション調べ)。
日本のものづくりは出荷の時点で満点であることを求める。一方、自動運転のプラットフォームでは走行データを取り込み続けながら精度を高めていく過程そのものが価値になる。不完全な状態での公道走行を避ける姿勢が続く限り、この成長の仕組みは国内で十分に動き出さない。
安全性を固定された仕様として扱うのではなく、絶えず学び続ける過程として捉え直せるかどうか。その発想の違いがいまの苦しい立場を生んでいる。