高速道路に「非常電話」が1kmごとに設置されている理由――スマホがあるのに、なぜ必要? ドライバーが知らない安全対策とは

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日本の高速道路には、スマホ普及率98%でも約1km間隔で非常電話が設置される。事故や災害時、固定拠点から即座に管制室へ連絡可能なこの仕組みは、年間維持費2000億円超でも安全の投資価値を示す重要なインフラだ。

技術進化と物理拠点の価値

中国道に設置された非常電話(画像:写真AC)
中国道に設置された非常電話(画像:写真AC)

 技術の進歩は緊急時の通信を大きく変えつつある。現在の車両はカーナビを含め衛星通信を活用し、多様な機能を備えている。事故時には自動で通報するシステムも導入済みだ。ただし普及は進んでおらず、2019年の新車での導入割合は29.3%にとどまる。

 利用者側の代替手段も整備されている。道路緊急ダイヤル「#9910」は携帯電話での通報時に安全な停車が必要となるものの、管制室と直接会話できる利点が大きい。デジタル手段と物理的な拠点を組み合わせる運用は、今後の標準となるだろう。

 全ての車両に通信機能が行き渡るまで、インフラ側の手段と個人端末の併用で安全性を高める必要がある。

 通信システムの課題が解消され、技術がさらに進歩すれば、非常電話の設置数削減は加速する可能性がある。だが物理的に存在する拠点ほど確実なものはないという事実も重い。

 IPネットワーク化で得られた地点認識能力や広域受付能力は、物理拠点の優位性をさらに際立たせる。スマホのGPSが狂いやすい高架下やトンネル内でも、固定された場所からの発信であれば位置情報の誤りは生じない。

 ネットワークが高度化するほど、サイバー攻撃や広域停電への脆さも目立つ。こうした状況で独立回線を持つアナログな拠点は、最後の生命線となる。デジタル地図上の情報が揺らぐ場面でも、物理的な拠点は確かな情報源として機能し、迅速な救助活動を支える。

 高度な情報社会ほど、こうした拠点の信頼性が交通網の強靭さを支える重要な要素となる。

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