「子どもだけでタクシー」は贅沢なのか――母親の就業率8割超で家庭内送迎は崩壊? 所有を捨てる新たな暮らし方とは

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少子化と共働きの増加で、子育て世帯の16.6%しか児童を抱えない日本。母親の就業率80.9%超が示すように、家庭だけでは子どもの送迎負担が限界に達し、都市型タクシーや住宅連動サービスが新たな社会インフラとして注目されている。

移動インフラと生活価値

子どもの送迎:家庭から社会へ。
子どもの送迎:家庭から社会へ。

 子どもの送迎サービスが広がる背景には、家庭内での「移動負担の限界」がある。これまで親の無償労働で担われてきた役割を外部に委ねることは、労働生産性の向上を考えれば必然の選択といえる。

 今後、住宅や街の価値を測る指標は、鉄道網への近さだけでなく、こうした個別輸送サービスがどれだけ生活に組み込まれているかが重要になるだろう。

 移動手段の評価は、車両を持つか否かという議論を超え、いかに効率よく時間を生み出せるかという観点へと変化している。不動産会社や通信、ハードウェアメーカーなど異業種の参入は、移動の仕組みが社会の基盤そのものへと進化したことを示している。

 所有に固執する生活から脱し、共有や連動を前提とした新しい仕組みを受け入れる時が来た。子どもの安全を守りつつ、親が自分の時間を最大限に活用できる環境を整えることは、これからの社会に欠かせない要素となるだろう。

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