「子どもだけでタクシー」は贅沢なのか――母親の就業率8割超で家庭内送迎は崩壊? 所有を捨てる新たな暮らし方とは

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少子化と共働きの増加で、子育て世帯の16.6%しか児童を抱えない日本。母親の就業率80.9%超が示すように、家庭だけでは子どもの送迎負担が限界に達し、都市型タクシーや住宅連動サービスが新たな社会インフラとして注目されている。

送迎負担と社会的影響

子どもの習い事の送迎ストレスに関するアンケート調査(画像:Fanss)
子どもの習い事の送迎ストレスに関するアンケート調査(画像:Fanss)

 小中学生の多くは、習い事に取り組んでいる。ニフティが2025年3月に実施した「ニフティキッズ」訪問者2158人を対象とした調査では、80.1%が現在習い事をしていると回答した。放課後NPOアフタースクールの調査でも、共働き家庭の小学生の61.6%が習い事をしており、半数を超える状況である。一方で、保護者からは

「ひとりで習い事に行けないが連れていく人がいない」
「本当は習い事もさせたいが現状行動できてない」

といった声が寄せられている。学術研究も、習い事の多様化が親の時間的制約を増やし、費用に次いで送迎が大きな負担であることを指摘する。2022年10月にFanss(神奈川県横浜市)が行った522人への調査では、63.2%が実際に子どもの送迎を行っていた。

 この63.2%という数字は、家庭内での移動が効率的でないことを示している。親が自ら車を運転する時間は、貴重な労働力や休息を消費するコストでもある。送迎のために仕事を早退したり、予定を調整したりする負担は、個人の生産性を下げる要因となる。

 筆者(小島聖夏、フリーライター)自身も週に3回の送迎に追われ、移動や待機による拘束感に煩わしさを覚えている。こうした状況は、子育て世帯における時間の価値が、タクシー利用料金を上回ることさえある現実を浮き彫りにしている。

 横浜市では、時間貧困の解消を目指して「こども専用送迎サービス」の試行を始めた。刈谷市でも2024年に、放課後教育拠点とタクシーを組み合わせた実証実験が行われている。これらは、移動を家庭から切り離すことで、親の働く機会を確保し、地域全体の労働力を維持する取り組みである。外部の力を借りて移動を効率化することは、子どもに教育の機会を与えつつ、親が社会で活躍し続けるための土台となるのだ。

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