「16兆円も稼いだのに……」 仙台の心臓部は「事故1回」で麻痺する? 県GDP1.7倍を支える高速ネットワークに潜む盲点とは

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仙台都市圏を支える全長約60kmの高速環状ネットワーク「ぐるっ都仙台」は、累計16.4兆円の経済波及効果を生む一方、暫定2車線区間や渋滞が物流と観光の効率を制約。次の10年、成長を加速させる鍵はここにある。

5年後と10年後

ぐるっ都仙台 泉IC~泉パーキングエリアスマートIC(画像:都野塚也)
ぐるっ都仙台 泉IC~泉パーキングエリアスマートIC(画像:都野塚也)

 5年後には、暫定2車線区間の4車線化や未着手区間の整備が進展しているだろう。先行する他路線の事例が示すとおり、車線の拡充は渋滞や通行止めの頻度を劇的に減らす。これにより物流の遅延率は50%以下、あるいはそれ以上の改善が見込める。

 2010年の全線開通以降、およそ4年ごとに2兆円の経済波及効果を積み上げてきたが、ネットワーク全体の容量不足が解消されることで、その拡大速度はさらに加速する。

 10年後を見据えると、電気自動車や自動運転技術の普及により移動のあり方が大きく変わる。高速道路をこうした最新技術に対応した情報流通の場として活用すれば、輸送の効率は飛躍的に高まるだろう。

 施設の更新や老朽化対策を後ろ向きな費用と捉えず、次世代の物流網を支える投資として継続することが、将来のコストを抑え、都市の競争力を保つことにつながるのだ。

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