「エンジン音では何も語れません」 EV普及のカギは馬力でもトルクでもない? 年率20%超の成長が示す「次なる付加価値」とは

キーワード :
,
EVの性能はもはや馬力やトルクでは測れない。膨大な半導体とバッテリーから発生する熱を制御する冷却・加熱システムの巧拙が航続距離や寿命を左右し、市場規模は年20.8%成長と予測される新たな産業戦線となっている。

導入文

自動車(画像:Pexels)
自動車(画像:Pexels)

 電気自動車(EV)が未来の自動車の主流へ移る流れのなかで、これまでとは次元の異なる技術や仕組みの導入が必要になっている。

 かつてのEVは内燃機関車のエンジンをモーターへ換えただけの段階に留まっていた。しかし現代のEVは、高性能化と効率化を徹底した結果、膨大な半導体や電子部品を集めた構造体へと変わった。この変化が意味するのは、車両の価値を決める要素が、動力の大きさから「エネルギーの効率的な分配」へと移ったということだ。

 電子部品の高密度化で発生する熱量は増え、放熱を担う冷却システムには従来を遥かに超える性能が求められている。さらに、EV専用の熱管理部品も相次いで採用されており、熱マネジメントの巧拙が航続距離やバッテリー寿命といった商品力、ひいてはメーカーの収益性を左右する。

 本稿では、現代のEVにおける冷却システムの実態や、最新の技術がもたらす産業構造の変化を見ていく。

全てのコメントを見る