「週3~4日」しか車に乗らない人は、なぜ「最も不幸」なのか? 月6万円超の支払いが突きつける“所有の限界”

キーワード :
新車購入者の満足度は高い一方、週3~4日利用する中間層は「非常に満足25.4%」「月6万円超で57.1%が予算オーバー」と調査。支出と利用価値の乖離が家計を圧迫し、市場の二極化を鮮明にしている。

勝者と敗者

「新車購入とお金の実態調査2026」(画像:クルカ)
「新車購入とお金の実態調査2026」(画像:クルカ)

 この歪んだ構造で利益を得るのは、高単価モデルの販売で収益を確保するメーカーや、残価設定ローンを拡大して将来の金利収益を囲い込む金融機関、そしてオプション装備で売上を積み上げる販売店である。彼らにとって車はもはや移動の手段ではなく、中間層の将来の可処分所得を確実に取り込むための物理的な債権の器のようになっている。

 一方で、この重圧を直接背負うのは、実質賃金が伸び悩むなかで生活の形が流動化した共働き世帯や、郊外に住むハイブリッド勤務者たちだ。困窮しているわけではないが、富裕層のように資産を効率よく回す余裕もない。自らの生活に合わせて賢く使い分けようとしたはずの彼らが、精神的な負荷と、利用の少なさに起因する割高な維持費というふたつの負担を同時に背負わされている。

 週3~4日しか使わない層が抱く違和感は、移動そのものの対価ではなく、既存の産業システムを支える費用として自分が消費されているという感覚に根ざしている。家計の柔軟性は限られるのに、固定費だけが増え続ける現状は、中間層の経済的な基盤を確実に蝕んでいるのである。

全てのコメントを見る