「週3~4日」しか車に乗らない人は、なぜ「最も不幸」なのか? 月6万円超の支払いが突きつける“所有の限界”

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新車購入者の満足度は高い一方、週3~4日利用する中間層は「非常に満足25.4%」「月6万円超で57.1%が予算オーバー」と調査。支出と利用価値の乖離が家計を圧迫し、市場の二極化を鮮明にしている。

都市構造と雇用形態の影響

自動車(画像:写真AC)
自動車(画像:写真AC)

 都市圏では鉄道網が発達し、シェアリングサービスも広がっている。一方で地方では公共交通の衰退が続く。ただ全国的に見ると、完全に車に依存する地域も、全く使わない地域も少なくなり、中間的な状況の地域が増えている。

 テレワークの浸透で通勤の回数は減ったが、ゼロになることはまれだ。共働き世帯の増加にともない送迎のニーズは根強く、郊外の大型商業施設は依然として車でのアクセスを前提にした構造を維持している。結果として、「毎日使うわけではないが、手放すこともできない」という層が増えている。

 この層は、公共交通の利便性を十分に享受できず、かといって車社会特有の効率性も完全には得られない、制度と生活様式の間に生じた空白のなかに置かれている。20世紀に築かれた、自家用車を前提にした生活圏の枠組みと、21世紀の流動的な働き方との間に摩擦が積み重なり、その生活圏を形作っている。

 彼らはデジタルな働き方を追求する一方で、日々の移動手段がなければ生活自体が成り立たない空間に縛られている。在宅勤務で節約できた通勤時間は、車の稼働率が下がったことで維持費という形で相殺される。車の保有は、過去の居住地選択を修正できないがために、退路を断たれた重い維持コストとしての性格を強めているのだ。

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