「人口減なのになぜ建てる?」 巨大化を続けるターミナル駅、同質化する再開発の果てに待つ「共倒れ」の懸念
主要ターミナル駅の再開発が全国で加速。人口減少や通勤形態の変化を前に、鉄道会社は駅と不動産を一体化させ、膨大な人流を収益に変える独自モデルで都市機能を再構築している。
米国やアジアの駅の姿

米国では、自動車と高速道路網の発達により都市鉄道や旅客分野が十分に育たず、都市機能は早期に分散した。オフィスや商業施設は駅前ではなく車でアクセスしやすい場所に配置され、駅は目的地ではなく通過点になっていった。
中国や東南アジアにも植民地期から続く歴史あるターミナル駅があるが、近年の巨大駅や高速鉄道は、それとは役割を分ける形で国家主導により整備されてきた。ターミナルは都市中心から距離を取り、中心街とはメトロ網で結ばれる。近郊列車も発着するが、駅は日常的な都市活動を引き受ける場ではなく、乗り換えと長距離移動に特化した交通拠点として機能している。
これに対して日本では、新宿、池袋、渋谷、品川といった主要ターミナル駅の多くが、もともと都市の中心ではなかった。新宿駅の隣には浄水場があり、品川周辺は海や倉庫が広がっていた。駅が先に置かれ、街は後から形成されたため、駅周辺には人の流れに応じた賑わいが生まれたものの、駅前に計画的な都市機能は育ちにくかった。戦後は闇市などによって無秩序な空間になりやすかった。
こうしたなかで鉄道会社は、集まりつつあった人の流れを自ら管理できる改札内や駅ビル、駅上空間へと引き込んだ。百貨店や飲食、オフィスといった機能を重ねることで、既存の人流を安定した収益と都市活動へと組み替えていった。
一方、欧米やアジアの多くの都市では、商業や業務、生活の中心は駅の外にすでに存在しており、駅は人を送り届ける交通の結節点として機能すれば十分だった。駅に都市機能を重ねる必要がなかったという点で、日本とは前提が異なっていた。その違いが、今日の駅の姿を大きく分けているのだ。