「人口減なのになぜ建てる?」 巨大化を続けるターミナル駅、同質化する再開発の果てに待つ「共倒れ」の懸念

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主要ターミナル駅の再開発が全国で加速。人口減少や通勤形態の変化を前に、鉄道会社は駅と不動産を一体化させ、膨大な人流を収益に変える独自モデルで都市機能を再構築している。

私鉄が辿った別の道

池袋駅(画像:写真AC)
池袋駅(画像:写真AC)

 そこで一部の私鉄は、輸送と商業、不動産を一体で捉える発想に踏み込んだ。その象徴が阪急である。阪急は鉄道で人を運び、ターミナルで消費を生む構造にいち早く着目し、1929(昭和4)年に世界でも例のない

「ターミナルデパート」

を開業した。駅を商業の中心に据えるこのモデルは東京や福岡など全国へと広がっていき、「不動産と商業を内包する鉄道会社ほど発展する」という方程式が日本では形成された。駅は移動の終着点にとどまらず、都市機能が高度に集まる拠点へと変わっていった。

 鉄道で運んできた利用者を、駅に併設した自社の商業施設へ直接誘導するこの仕組みは、運賃以外の収益を拡大させるだけでなく、移動そのものに付加価値を与える効果も生んだ。この流れは戦後も続き、さらに加速した。

 国鉄民営化後、JR東日本やJR西日本は不動産・商業分野への注力を強め、主要ターミナル駅の再開発を通じて収益構造の多角化を進めていった。人口減少や通勤形態の変化という逆風のなかでも、駅が都市活動の基盤であるという構造は維持され、ターミナル駅の機能はむしろ一層強まっていった。

 膨大な人流を収益へ結びつける拠点を持っていること自体が、各社の経営基盤を支える大きな力になっているのだ。

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