「人口減なのになぜ建てる?」 巨大化を続けるターミナル駅、同質化する再開発の果てに待つ「共倒れ」の懸念
主要ターミナル駅の再開発が全国で加速。人口減少や通勤形態の変化を前に、鉄道会社は駅と不動産を一体化させ、膨大な人流を収益に変える独自モデルで都市機能を再構築している。
海外の駅は「通り過ぎる場」

対して、海外の都市では駅はどのような位置づけにあるのだろうか。欧米やアジアの多くの都市では、駅は移動のための施設として扱われてきた。
広いコンコースと効率的な動線を備えた駅舎は都市への出入口として機能しており、その構造は空港ターミナルに近い。商業施設が併設される例もあるが、その多くは待ち時間に対応する飲食や物販に限定されている。日本のように駅の建物自体が複合的な都市機能を担うケースは多くない。
この違いを理解するうえで重要なのは、とくに欧州では駅が「すでにある街に付け加えられた存在」だったのに対し、日本の多くの駅は
「街ができる前に先に置かれた存在」
だった点である。欧州では、駅ができる以前から旧市街や広場、商店街、官庁街といった都市の核が形成されていた。駅はそれらに接続するインフラとして加わり、駅を出ればすぐに街が始まる構造が成立していた。だから駅のなかや上にまで都市機能を詰め込む必要はなかった。
海外の主要駅は交通網を繋ぐ結節点としての役割を追求しており、駅の外にある既存の市街地へ人々を円滑に送り出すことが優先されている。移動の場と生活の場が明確に分けられているため、駅は目的地へ向かう途中の通過点として機能している。