GWの郵便配達はなぜ遅れたのか? 背景にあった過酷な「深夜勤務」、郵政民営化のひずみを考える

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ゴールデンウィーク、郵便の配達が遅れた。原因は、日本郵便が土曜日の郵便配達や深夜の仕分け作業を止めたことが原因。その背景には一体何があるのか。

日本郵便、中間決算黒字の背景

郵便車(画像:写真AC)
郵便車(画像:写真AC)

 深夜労働が過酷になった背景には、民営化を前提に郵便事業の黒字化が図られたことがある。

 当時の郵政公社では、翌日配達などのサービスを維持しつつ、労働者を削減することで人件費を減らすことを計画していた。ところが民営化後、事情は大きく変わった。

 インターネットやスマートフォンの普及による市場縮小や人手不足で、郵便事業は苦戦。2015年にはオーストラリアの物流会社トール・ホールディングスを買収し、国際物流事業に活路を探ったが業績は低迷した。2017年3月には民営化後、初めて赤字に転落している。

 さらに2020年には、コロナ禍の影響もあって赤字に再度転落。最新の2021年9月中間連結決算では、日本郵政グループ全体の連結中間純利益は前年同期比48.2%増の2651億円、郵便事業を営む日本郵便は最終利益64億円の黒字となっている。

 グループ全体では業績が伸びているようにも見えるが、これは傘下のゆうちょ銀行が、外国債券などの運用による利益を大幅に増やしたことによるものだ(『読売新聞』2021年11月13日付朝刊)。

 つまり、本業である郵便事業は常に危うい状況が続いているということなのだ。

 こうした状況のなか、2019年8月に総務省の有識者会議「郵便局活性化委員会」は、普通郵便の土曜日配達取りやめや、翌日配達の廃止を柱とするサービスの見直しを認める報告書をまとめた。これによって、人件費の大幅な削減と過酷な労働形態が排除され625億円程度の収益改善が図れるとされたのである(『読売新聞』2019年8月7日付朝刊)。

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