「高速道路 = 最速・最短」という考えは時代遅れ? 年間約6万km走る私が中央道で「30分短縮」した実録とは
渋滞情報の見える化

高速道路の渋滞対策は、制度、事業者、利用者の三つの視点から見直す必要がある。
まず制度面では、現在の渋滞情報の出し方に課題がある。多くは区間ごとの距離と所要時間の表示にとどまる。これを、区間ごとの進み具合がわかる形に細かく示すことで、判断材料は増える。首都高4号新宿線下り線では、主要インターまでの所要時間や混雑状況を詳しく示す表示がすでに導入されている。
こうした仕組みは、他路線にも広げる価値がある。近年増えているETC専用のスマートインターも活用余地は大きい。一般道へのう回を選びやすくすることで、渋滞の分散につながる。あわせて、高速料金と所要時間の関係を、利用者が直感的に理解できる形にする工夫も求められる。
次に事業者の役割だ。ナビと連動し、高速道路を走り続ける場合と一般道に降りた場合の所要時間を比較して示す仕組みは欠かせない。ETC2.0を使った連動サービスは広がりつつあるが、情報の精度とわかりやすさはまだ改善の余地がある。開通から30年以上たつ路線や区間が全体の4割を超え、渋滞の傾向に関するデータは蓄積されている。
過去の実績を基に、時間帯や曜日ごとの混雑傾向を示せば、判断の助けになる。上野原IC周辺のように、インター付近で混みやすい場所は多い。インター通過にかかる目安時間や、周辺の一般道の状況を示すことは、利用者にとって有益だ。
最後に利用者側の姿勢も重要になる。現状では、一般道にう回するかどうかは運転者の判断に委ねられている。距離や所要時間の表示だけでなく、道路の形状や周辺状況などを含めて考える力が必要だ。走行中に集められる情報には限りがあるため、事前の確認が鍵となる。混みやすい区間や、並走する一般道の様子を調べておくかどうかで、当日の選択は大きく変わる。
運転中は気分で判断しがちだが、時間短縮を重視するなら、感覚よりもデータを優先したい。冷静な判断ができるよう、普段から準備を重ねることが求められる。