「救急車に道を譲る = 3000万円」の価値があった? 1分の代償が招く人命と経済への衝撃
救急車の現場到着時間は平均10分、病院収容まで45分に達する現代、緊急自動車への進路譲渡は数分の差で数千万円規模の経済損失を防ぐ行動となる。都市の安全と経済効率を左右する不可欠な公共ルールだ。
緊急自動車への進路譲渡

緊急自動車(消防車・救急車・警察車両など、緊急事態に対応する公的車両)への進路譲渡は、道路交通法第40条で「緊急自動車が接近してきた時は交差点またはその付近を避け、道路の左側に寄って一時停止しなければならない」と定められている。
消防車や救急車の緊急走行は人命に直結しており、ハンドルを握る者にとって優先走行を支える行動は、安全な交通社会を維持するための責任だ。道路は移動の手段であると同時に、都市の生命維持を担うライフラインとして機能している。
2024年版の消防白書によると、2023年における救急車の現場到着時間は平均約10分となっており、コロナ禍前と比較して1分以上延びた。病院収容までの時間も平均約45分に達し、数分程度の延びが続いている。国民の
「約19人にひとり」
が年間で救急搬送を経験する現代において、緊急車両の走行環境は社会生活の安定に直結する課題だ。
救急車に限らず、緊急自動車の出動が滞ることによる社会的損失は無視できない。ひとりひとりの避譲行動は、公共サービスの質と効率を左右する重要な意思決定であり、円滑な通行が確保されることで地域社会の信頼や安心という資産が守られる。
道路という限られた公共リソースを最適に活用するこの行動が、結果として
・社会全体の活動
・経済の持続可能性
にどのような影響を及ぼしているのか。本稿では、人命救助の背後にある経済的な合理性を掘り下げていく。