「卒業したらセダン乗りません」 教習所で“軽自動車”が使われない理由――普及率5割超でも“門前払い”の背景
軽自動車は全国世帯の54.46%に普及し、日常の足として圧倒的な支持を集める。しかし、技能試験では5ナンバーセダンが標準で、軽自動車は使えない。制度と実態のギャップが浮かび上がる。
セダン選定の合理性

では、なぜ技能試験や検定で使用できる車両の条件としてセダンタイプが想定されているのか。市場での存在感は薄いが、運転技能の基礎を学ぶという観点では、セダンには一定の合理性がある。
セダンは運転席が車体の中央付近にあり、ボンネットとトランクの両端を視認しやすい。この構造により前後や幅の感覚をつかみやすく、車体感覚の習得に適している。狭路走行や縦列駐車など、基本課題の習得でも利点となる。
免許取得後に実際に運転する車両と教習車が同一である必要はない。しかし、ベーシックな運転感覚を標準的な車両で身につけておくと、他の車種への応用が容易になる。軽自動車は小さすぎ、スポーツタイプ多目的車(SUV)やミニバンは着座位置や視点が高く、初心者にとって車両感覚が変わりやすい面もある。
技能試験の公平性や全国的な標準化を考えると、一定のサイズと特性を持つセダンを基準とする現行制度は、合理的といえるだろう。