「卒業したらセダン乗りません」 教習所で“軽自動車”が使われない理由――普及率5割超でも“門前払い”の背景

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軽自動車は全国世帯の54.46%に普及し、日常の足として圧倒的な支持を集める。しかし、技能試験では5ナンバーセダンが標準で、軽自動車は使えない。制度と実態のギャップが浮かび上がる。

教習制度の時代適応

自動車教習所(画像:写真AC)
自動車教習所(画像:写真AC)

 では、今後この規定を見直す必要はないのだろうか。日本自動車工業会の2023年度乗用車市場動向調査によると、軽自動車の保有率は4割を超える。一方でセダンタイプは希少で、SUVやミニバンが市場の主流となっている。そのため、免許取得後にセダンを運転する人は多くない。

 実際、一部の教習所ではハリアーやカローラクロスなどのSUVを教習車として導入している。とはいえ、使用は高速教習や場内教習に限られ、技能試験や卒業検定には用いられない。それでも、高い着座位置による見通しのよさや、実生活に近い運転体験は受講者から評価されている。

 流行や車種構成は時代とともに変化する。だからこそ、

・基礎を学ぶための「普遍的な教習車」
・免許取得後を意識した「実用的な教習車」

の両立が模索される余地はある。軽自動車まで検定対象に広げるのは難しくても、コンパクトカーを含める余地を検討する価値はある。

 もちろん、教習車には専用装備の改造が必要であり、法改正だけで解決する問題ではない。しかし、教習需要が高まれば、メーカーが教習車仕様を設定する可能性も広がる。選択肢が増えれば、より実態に即した運転教育が可能となる。

 AT限定免許が1991(平成3)年に導入され、現在は主流となったように、教習制度も時代とともに変化してきた。ボディタイプを限定する極端な制度は現実的ではないが、どの車種で教習を受けたかを語れる程度の多様性があってもよいはずだ。

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