「最先端」の正体はポンコツだった? サンフランシスコ大停電で見えた「ロボタクシー」の“自律”の限界
サンフランシスコで13万人が影響を受ける大規模停電が発生。ウェイモのロボタクシーは立ち往生し、クラウド依存の自律走行の脆弱性と都市インフラへのリスクが浮き彫りになった。
2035年、強靱なインフラへの進化

いまだ発展途上にあるロボタクシー事業だが、2030年ごろには、通信障害に耐性のない旧世代ロボタクシーは、運行許可を失って淘汰されていくだろう。規制要件を満たす企業だけが生き残り、安全性が担保された運行が提供されるようになる。
そして2035年のロボタクシーは、非常時に移動式Wi-Fi拠点や蓄電池として都市を支える「強靱なインフラ」へと進化を遂げるだろう。
今回の一件は、利便性の裏にある「インフラ依存のリスク」をどこまで許容するかという問いを突きつけた。利便性や効率性を追求するばかりでなく、異常時の対応を整備するために技術・政策・経済がどう乗り越えていくべきかを慎重に議論していく必要がある。
偶発的に起こった大規模停電によって露呈したリスクについて、ウェイモは今回の経験をもとに、技術と運用体制の強化につなげ、信頼性の高い自律走行の実現を目指す。具体的には、ウェイモDriverのソフトウェアの改善を進め、停電などインフラの異常時に車両がより的確に状況を把握し判断できるよう、停電情報を統合したコンテクストの提供や、緊急時対応プロトコルの更新、緊急対応要員との連携強化を盛り込む。また米国をはじめ世界中で訓練を積んできた2万5000人以上の救急対応者向け教育プログラムも継続的に進化させるとしている。
今回の事例を教訓に、安全性に配慮したロボタクシー事業の展開を世界中が望んでいることを、ウェイモは決して忘れてはならないだろう。