「最先端」の正体はポンコツだった? サンフランシスコ大停電で見えた「ロボタクシー」の“自律”の限界
サンフランシスコで13万人が影響を受ける大規模停電が発生。ウェイモのロボタクシーは立ち往生し、クラウド依存の自律走行の脆弱性と都市インフラへのリスクが浮き彫りになった。
問われる都市インフラとしての適格性
今回の大規模停電によるロボタクシーの立ち往生は、異常事態が起こった際に、都市機能を麻痺させるロボタクシーを社会インフラとして許容できるか、という問いを浮かび上がらせた。これは自動運転技術の課題を超えて、都市のあり方が問われる事象となった。
ロボタクシーは、交通インフラに必要な存在であることに疑いの余地はない。加えて、運営会社にとっては、無人運行による収益性や効率性などのメリットがある。そこで問題となるのは、通信の独立とAIの自立にある。公共の通信網に頼らない衛星通信の確保や、オフラインでも「路肩へ退避」できる自律性を可能とする装備の義務化が求められる。これによって、致命的な交通遮断を引き起こす事態は回避できる。
また、社会的コストの負担という観点も看過できない。無人車によって、人件費を削ることができるメリットがあることは確かである。しかしながら、このメリットは事業者が非常時の混乱を防ぐインフラ投資を完結させた上で成立する。事業者側が応分コストを負担しなければ、行政や住民などが相応するコスト負担を強いられる事態を招きかねない。
さらに物理的な介入手段として、通信不能時でも現場で車両を強制移動できる「緊急モード」の実装が、ロボタクシー事業参入の最低条件とすべきだ。異常事態が起こった際に、警察官などがロボタクシーを緊急退避させることができる仕組みの構築が求められる。