「9連休でも帰りません」 年末年始の帰省、もはや“苦行”になったのか? 6割が「予定なし」を選択する、慣習の合理的終焉
2025年の年末年始、9連休でも「予定なし」が6割超、帰省は2年連続減少。都市と地方で変わる移動の価値観は、交通・宿泊・地域経済に直接影響し、移動が義務から選択へと変化しつつある。
移動価値観の変化と地域影響

この変化で得をするのは、柔軟な働き方ができ、都市に生活基盤を持つ人たちだ。移動しないことで時間と体力を守れる。一方、帰省客を前提に成り立ってきた地方の交通、宿泊、商業は厳しくなる。交通需要が集中しないことでピーク対策の必要性は減るが、地方では収益減や利用者減によるインフラの維持課題が表面化する。
また、帰省を当然と考えてきた世代と、選べると考える世代の間で認識の差も広がる。年賀状を送らない人が17.4%まで増えた事実は、関係維持の方法そのものが変わっていることを示している。都市部では移動が必須ではなくなる一方、地方では移動が減ることが経済活動や交通計画に直結し、世代間や地域間での影響の差が拡大する構造となっている。
今後、年末年始の移動が消えるわけではない。ただし、
「行かなければならない」
という理由は弱まる。移動するかどうかは、負担と意味の釣り合いで判断される。負担が大きく、意味が共有されない移動は避けられ、短く、気を使わず、目的がはっきりした移動が残る。都市部の利便性や地方の制約が、移動価値観の多様化をさらに加速させることになるだろう。