下り坂で「ニュートラル」に入れるべきでない理由──低回転でも燃料消費する「アイドリング維持の罠」とは

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下り坂でのニュートラル惰性走行は、燃費を逆に悪化させるだけでなく、安全リスクも増す。現代車の電子制御ではエンジンブレーキ時に燃料カットが可能で、ギア操作の遅れが事故やブレーキ摩耗を招く場合もある。

エンジンブレーキの仕組み

自動車(画像:写真AC)
自動車(画像:写真AC)

 ニュートラルで燃料を無駄に消費する理由を理解するには、走行中のエンジンの状態を整理する必要がある。主に三つの状態がある。

 ひとつは、エンジンが車輪を駆動している状態で、加速や巡航時に当たる。二つ目は、車輪がエンジンを回している状態で、減速時に働くエンジンブレーキがこれに該当する。三つ目は、エンジンがアイドリングしている状態で、ニュートラル時が該当する。

 現代の燃料噴射エンジンは、電子制御モジュール(ECMまたはECU)によって、スロットル開度やエンジン回転数、車速など複数の情報をもとに燃料噴射量を精密に制御している。

 ギアを入れたまま下り坂を走行し、アクセルペダルから足を離すと、車輪はドライブトレインを介してエンジンを回す。これがエンジンブレーキである。多くの現代車では、この状態でECUが燃料供給を完全に停止する。エンジン回転は車両の運動エネルギーで維持されるため、燃料を噴射する必要がない。結果として、エンジン回転数が一定以下に下がるまでの間、燃料消費は実質ゼロになる。

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