なぜ「中国EV叩き」は止まらないのか? 0.1%が8割を拡散、歪んだネット世論が日本車の「進化判断」を狂わせる

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BYDの低価格EVや中国メーカーの技術進歩に、日本市場は心理的衝撃を受けやすい。SNS上の過激投稿は全体の3%のアカウントが33%を占め、10万人調査では投稿者の約半数が0.23%と少数派であることも判明。感情と事実が交錯する現場を分析する。

朝日新聞が暴いた「業務としての嫌中」

SNSでの誹謗中傷イメージ(画像:写真AC)
SNSでの誹謗中傷イメージ(画像:写真AC)

 朝日新聞は2025年12月6日、「『嫌中』動画の制作依頼を非公開に 仲介サイト『差別つながる』懸念」という記事を報じ、ネット上で多くの注目を集めた。X(旧ツイッター)でもトレンドになった。

 同紙によると、仕事仲介大手サイト「クラウドワークス」では、中国批判や嫌中をテーマとした動画制作の依頼が掲載されていたが、同社は12月3日、該当依頼を非公開とした。依頼がガイドラインで禁止される

・事実誤認や印象操作がおこなわれる恐れがある依頼
・差別や誹謗(ひぼう)中傷につながる依頼

に該当する可能性が高いと判断したという。

 調査によれば、2024年11月から2025年11月にかけて、少なくとも14件の動画制作依頼が出されていた。内容はYouTube向けの台本作成やAI画像を使った編集作業を含む。依頼の一部には、

「中国人の迷惑行為、モラルの欠如、その後自業自得の結末となったり天罰が下ったりするフィクション動画」

と例示されていた。報酬は台本作成が1本1500~5000円、編集作業が2000~7000円で、応募条件には

「日本が大好きな方、中国が嫌いな方」

といった表記も見られた。確認できた案件では、合計31人との業務委託が成立している(以上、同紙)。

 さて、この件の問題点は三つに整理できる。第一に、嫌中表現が個人の趣味や思いつきではなく、業務として発注・外注されていたこと。第二に、フィクションを含めた「中国人の迷惑行為」や「天罰が下る結末」のコンテンツが量産されていたこと。第三に、応募条件自体が国籍や民族に基づく内容であることだ。

 さらにこうした動画の流通は、消費者の印象形成やブランド評価にも影響を及ぼす可能性がある。日本市場における中国EVの低価格戦略や技術進歩は、企業にとっての競争圧力として機能する一方、視聴者にとっては不安や不信感を刺激する材料になりやすい。動画制作の低コスト化は、こうした心理的反応を加速させ、コメント欄やSNSでの拡散を助長する仕組みともつながっている。社会問題として捉えるだけでなく、

「日本の自動車メーカーが直面する市場上の課題」

と結びつけて考える必要がある。

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