葛飾区長が「失敗」宣言? 「青砥駅」の機能不全と空白30年──交通結節点が立石再開発に飲み込まれる日の現実味

キーワード :
, ,
京成電鉄で1日4万8000人超が利用する主要駅・青砥は、再開発の頓挫によって駅前機能が欠落したまま取り残されている。隣駅・立石の大規模再開発が進むなか、交通拠点の役割が移る可能性も現実味を帯びる。再開発の“失敗例”とされた街は、いま岐路に立っている。

点在化した公共施設の使い勝手

青砥駅周辺の様子(画像:宮田直太郎)
青砥駅周辺の様子(画像:宮田直太郎)

 しかし、再開発は地権者の反発で頓挫した。実現したのは、旧葛飾区役所が1992(平成4)年に音楽ホール「かつしかシンフォニーヒルズ」へ建て替えられた程度にとどまった。その結果、バス停や公共施設は住宅地のなかに点在し、利用者からは「どこにあるかわからない」という声が上がる状況になっている。

 筆者(宮田直太郎、フリーライター)はこの実態を確かめるため、青砥駅周辺を歩いた。青砥駅は四階建ての高架駅だ。三階には上り列車が入り、一番線は京成押上線の押上方面行き(都営浅草線や京急線に直通)、二番線は本線の日暮里・京成上野方面行きが発着する。

 四階は下りホームで、成田空港方面へ向かう列車が停まる。三番線は上野方面、四番線は押上方面からの列車が到着する構造だ。高架下の一~二階には改札があり、一部は商業施設「ユアエルム青砥」として使われている。

 一階の改札を出ると、どの出口も道が狭いことに気づく。タクシーが停まる余地はほとんどなく、実際には路上に停車するしかない。車が止まるとすれ違いが難しくなる場面もあり、自動車でのアクセスはかなり不便な街だと感じる。

 バス停も駅前にはなく、商店や住宅の間を歩いてようやく見つかるほど離れている。系統によっては、駅から数百m先の環状7号線沿いにしか停留所がない。場合によっては交通量の多い道路を渡る必要があり、アクセスするだけで負担が大きい。

 青砥駅の案内看板にある地図を見ると、周辺の道が複雑に入り組んでいることがよくわかる。この地図を頼りに道順を把握するのは難しい。すぐ近くには中川があり、地形的にも開発が進みにくい場所であることが伺える。

 駅周辺には公共施設へのアクセスを案内する看板が多いが、どれも駅前ではなく、数百m先を示している。公共施設が広い範囲に分散していることがはっきりと伝わってくる。

全てのコメントを見る