交通再生の風雲児? 赤字バスを“儲かる会社”に変える「謎めいた会社」の正体
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佐渡汽船の短期黒字化と高配当

前述のとおり、みちのりHDは貸借対照表や損益計算書などの決算公告や有価証券報告書を公開していない。公表されているのは、IGPIグループ傘下の中間持ち株会社・日本共創プラットフォームの100%子会社で、資本金が3億円という部分だけである。
同じく、みちのりHDが100%子会社化しているバス会社や鉄道会社も、やや古いデータや官報からの引用がネット上に一部見られる程度で、公式には決算公告や有価証券報告書を公開していない。
みちのりHDが「ミステリアスな印象」を持たれるのは、この特異なビジネスモデルに加え、数字上の情報が乏しいことにも理由がある。
ただし、グループ企業のなかで佐渡汽船は唯一、みちのりHDの100%子会社ではない。新潟県なども出資しており、グループ入り前は上場企業であったことから、有価証券報告書を公開している。
これによると、佐渡汽船の連結売上は、グループ入り前の第160期(2021年12月決算)で80億7899万円、直近の第163期(2024年12月決算)で127億6436万円となっている。グループ入り後に大幅な増収となったが、より注目すべきは経常損益の変化だ。第160期には17億4519万円の経常損失を計上していたが、グループ入り後は黒字に転換し、直近の第163期には8億8083万円の経常利益を計上している。
さらに第163期の損益計算書では、当期純利益が9億6784万円、そのうち親会社株主に帰属する当期純利益は9億5922万円となっている。これらの数字からは、みちのりHDが短期間で佐渡汽船の売上を伸ばし、黒字転換させたうえで、配当も確実に得ていることがわかる。
もちろん、グループ入りした他のバス会社や鉄道会社が佐渡汽船と同様に利益を上げているかは不明だ。しかし、2009年の設立以来、買収したバス会社や鉄道会社の一部は合併や統合を経ながらも、現在に至るまで保有され続けている。
この事実から推測すると、みちのりHDはバス会社を買収し、100%子会社化したうえで、配当によって継続的に利益を得ていると見て間違いないだろう。