競争を捨てて「地域交通」は守れるのか? 岡山市5社が挑む“共同経営”の挑戦
地方都市の路線バスや路面電車で複数事業者が協議し運賃や路線を統一する「共同経営」が拡大している。岡山市や熊本地域では認可制の下、均一運賃やダイヤ調整により利用者利便性が向上し、2029年度には約1億5000万円の収支改善も見込まれる。地域独占特例法は、既存事業者の独占ではなく公共交通維持を支える新たな制度的仕組みとなる。
地域交通と独禁法特例

特定業界の複数企業が合意し、商品の価格を同額に設定する行為を「カルテル」と呼ぶ。民主主義国家では原則として法律で禁止されている。日本では中学校の公民授業で、カルテル、トラスト、コンツェルンの違いを学ぶ。
しかし、場合によっては企業が
「必要に迫られ、複数社と協議せざるを得ないケース」
もある。こうした協議までをカルテル扱いするのは、建設的な事業活動を阻害する恐れがある。現状、日本全国でカルテルに該当しない複数社間の協議や協定が進められ、地域交通の改善につながる取り組みが活発化している。
本稿では、独占禁止法の特例措置が地域交通再編に直結した具体例を取り上げ、解説する。