交通再生の風雲児? 赤字バスを“儲かる会社”に変える「謎めいた会社」の正体
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縦横連携型グループ経営の収益性

産業再生機構時代にバス会社の再生実績があるとはいえ、経営共創基盤やみちのりHDの「ハンズオン型コンサルティング」という業態に疑問を持つ人は多いだろう。荒っぽくいえば、ハンズオン型のコンサルは、儲かりそうな会社に人や資金を投入し、株価を上げたところで売却するイメージが強い。
普通に考えれば、公益性は高いものの、経営環境が厳しいバス事業は
「公的資金で支えられる存在」
であり、投資対象とは考えにくい。さらに、経営共創基盤もみちのりHDも、
・貸借対照表
・損益計算書
などの決算公告や有価証券報告書を公開していない。貸借対照表は企業の資産や負債の状況を示す書類で、損益計算書は収益と費用の関係から利益の状況を示す書類である。これらを公開していないため、バス会社を買収して100%子会社化する手法で、どの程度収益が上がっているのかは外部からはわからず、謎に包まれている。
みちのりHDは、こうした疑念に対する明確な答えとはいえないものの、ほぼ一貫して自社のビジネスモデルに沿った経営方針を示してきた。
1点目は、エグジット(株式売却)を前提とせず、買収した企業の株式を長期間保有し、配当によって収益を得る点である。
2点目は、みちのりHD独自の表現である「縦串・横串のグループ経営」だ。縦串とは、買収先企業に経営陣を送り込み、プロパー社員と緊密にコミュニケーションを取りながら、トップダウンで業務を遂行する体制を意味する。横串とは、マーケティングや共同購入、新技術の導入など、グループ全体で共有できる業務を、企業の垣根を越えて横断的に展開する取り組みを指す。
縦串は、買収側と被買収側の一般的な関係といえる。事業再生においてスピード感が求められる環境では、有効な体制だろう。一方、横串はスケールメリットの追求にほかならない。バス事業に限らず、買収を通じて規模を拡大する企業でよく見られる手法である。
いずれにしても、経営環境が厳しいバス事業を「縦串・横串のグループ経営」だけで高配当を得られる事業に再生できるのか、やはり腑に落ちない。