「環境性能割2年停止」で自動車は本当に甦るのか? ピーク比4割減の国内市場、税軽減の効果を問う

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国内の登録車はピーク時から約4割減少。政府・与党は購入時の環境性能割を2年間停止する方向だが、税負担軽減だけで回復は可能か。軽自動車需要拡大や若年層の車離れなど、複合要因を踏まえた市場活性化策が問われる。

需要層再編と政策支援

環境性能割の税率の適用状況(画像:総務省)
環境性能割の税率の適用状況(画像:総務省)

 自動車税制の見直しを通じた市場活性化には、まず購入時の税負担を一時的に廃止し、車両の使用状況や走行距離、CO2排出量に応じた段階的課税へ転換することが望ましい。

所得階層別に需要が二極化していることを踏まえ、

・低所得層向けの購入支援
・中古車再流通の促進

といった施策が必要である。また、販売を一度きりの購入から

「利用期間を通じたサービスモデル」

へ転換する仕組みづくりも求められる。購入のハードルを下げるビジネスモデルが今後の主流となり、税制も所有前提からの脱却が必要だ。

 欧州ではオランダなどが、CO2排出量に応じた課税導入を検討している。この税制は低排出車両の需要維持と市場縮小抑制につながる。販売よりも稼働率の最大化を重視するモデルもあり、月額リースやシェア型利用で利益を確保した事例がある。

 国内でも、群馬県ではひとりあたりの自家用車保有台数が全国1位で、計20台の電気自動車(EV)を県内5か所に配置し、平日は公用車として共用、土日祝日は一般利用可能なカーシェアリング事業として活用している。地域における移動需要の創出こそ市場活性化の本質であり、税軽減だけでは十分ではないことを示している。

 国内市場回復には、購入・利用・所得・技術革新の4要素を統合的に組み立てる視点が求められる。税軽減策は短期的な刺激策に過ぎず、持続的な活性化には利用形態やサービスモデルの転換、地域での移動インフラ整備が不可欠である。政策は、どの税をなくすかではなく、

「どのように移動価値を問い直すか」

に焦点を置くべきではないか。

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