トヨタvsフォルクスワーゲン――販売差は180万台! HV・EV・ソフト開発で世界市場の頂点を握るのはどちらか?
トヨタは世界販売1082万台で5年連続首位を維持する一方、VWは903万台で追走。EV・HV戦略、ソフト開発、米中市場投資の差が、次世代自動車市場の勢力図を左右する。
世界販売トップの維持

トヨタ自動車は、2020年以降、世界販売台数で5年連続トップの座を維持している。一方、2019年まで4年連続で首位だった独フォルクスワーゲン(VW)は、トヨタに世界トップの座を譲って以降、2位に甘んじている。
2024年時点の両社の販売台数は、トヨタが1082万台、VWが903万台で、差は179万台にのぼる(120%)。2019年には23万台に過ぎなかった差は、2022年には222万台まで拡大したが、近年は徐々に縮小傾向にある。この均衡は販売力の差だけでなく、制度、通貨、環境政策などが絡む国際的な構造競争の結果といえる。
両社はそれぞれの国家を代表し、異なる経済圏の意向を体現する。世界の自動車市場でのトップ争いは、販売台数の競合以上の意味を持つ。本稿では、盟友ともいえる両社を多面的に比較し、終わりの見えないトップ争いの行方を探る。