キャンピングカー市場1100億円突破! なぜ市場は「新車」「中古」で二分されるのか? 市場拡大の裏側で進む変化とは

キーワード :
,
キャンピングカー市場は保有台数16.5万台、2024年販売総額1126億円と過去最高を更新。移動しながら暮らす住まいとして進化し、車両、地域、インフラが連動する新たな経済圏を形成しつつある。多様化する利用者層とレンタル、サブスクの拡大が成長を後押ししている。

複合産業としての市場構造

自動車(画像:写真AC)
自動車(画像:写真AC)

 これまでの成長は50~70代がけん引してきたが、近年は

・都市部在住の若者や単身ユーザー
・軽キャンパー志向の層

など、多様なニーズが市場を押し広げている。軽キャンパーやコンパクトモデルの人気は特に顕著で、初期投資を抑えながら手軽に拠点を持ちたい層に支持されている。

 さらに、キャンピングカーの購入意向については、NEXERとオートサイトの調査で、購入希望者の56.6%が「新車」、43.4%が「中古」と回答していることが明らかになった。新車を選ぶ理由としては

・新しいものを自分の好みにしたい(20代、女性)
・中古車は乗るのが怖い(20代、男性)
・人が使ったものを使いたくない、特に寝泊まりするので(30代、男性)
・機能性が高そう(30代、男性)
・自分の初めて買うこだわりのキャンピングカーにしたいから(40代、女性)

といった声がある。一方で中古を選ぶ理由には

・新車は高いから(20代、女性)
・中古でも状態の良いものはたくさんあると思うから(20代、男性)
・そうそう何度も使うものではないので(30代、女性)
・安くてほしい車が見つけやすいから(40代、男性)
・カスタマイズしたいので(40代、女性)

といった意見が挙がっており、ライフスタイルや予算に応じた多様な選択肢が市場拡大を支えていることがわかる。レンタルやカーシェア、中古流通の活発化も市場拡大の要因となっており、車両は所有する資産という枠を超え、移動や滞在、仕事場として柔軟に利用されるサービスへと変化している。

 キャンピングカー産業は、車両メーカーだけでなく、

・ビルダー
・特装・部品メーカー
・加工業者
・専門店
・中古車店
・レンタカー事業者

まで含む複合産業である。

 ここでいうビルダーとは、トヨタや日産などの完成車をベースに居住設備や電装、収納などを取り付けてキャンピングカーに仕上げる事業者を指す。個々のユーザーのニーズに応じた改造や、レンタル用車両の整備も手掛ける。特装・部品メーカーは、車両に取り付ける家具、キッチン、電装系パーツ、ソーラーパネルや空調装置など、キャンピングカー専用の部品や機器を提供する企業である。加工業者は、ビルダーやメーカーから依頼を受け、車両内部の内装や電装工事、カスタマイズ作業を実際に手がける職人・企業を指す。これらが連携することで、多様なモデルや改造のニーズに対応できる。

 ベース車不足や原材料価格高騰は、ビルダーの事業運営に直接的な影響を与えている。一方で改造ビジネスの裾野は広がり、商用バンを改造したバンコンや、軽自動車をベースにした軽キャン、車中泊特化モデルなど、ニッチモデルも増加している。中古市場やレンタルを通じた二次流通も、産業構造における重要な要素となっている。

 車両が増えるほど、滞在可能なインフラの整備は重要性を増す。

・RVパーク
・車中泊スポット
・給排水設備
・充電ステーション
・コワーキング併設施設

など、受け皿の整備が急務となっている。自治体や観光地にとって、キャンピングカー利用者は滞在時間が長く地域消費を生む顧客であり、車両と滞在地、地域サービスを結びつけることで、観光の分散化や宿泊施設不足の補完、関係人口の創出など、地域活性化の新たな経路が開けつつある。

全てのコメントを見る