JRはなぜ「全国一括予約」できないのか? 1アカウントで使えない“縦割り構造”の実態
JR東日本、JR東海、JR西日本、JR九州はネット予約サービスの連携を開始する。だが全国統一には程遠く、東北では鉄道利用者が依然割を食う。複雑な割引体系と会社間の壁が、利便性向上の足かせとなっている。
囲い込み型ネット予約サービスの末路

JR各社のネット予約サービスは、独自の割引や特典に大きな差がある。
例えばJR九州の料金シミュレーションを見ると、同じ区間の割引きっぷとして、eきっぷ、スマートEX、九州ネットきっぷ、エクスプレス予約、エクスプレス予約早特3、九州ネット早特7が並んでいる。初めて利用する人は、どれがどう違うのか戸惑うだろう。しかしよく見ると、JR各社内で完結する場合や東海道・山陽・九州新幹線内で完結する場合には手厚いが、JR各社をまたぐ利用者は割を食っている感が否めない。
チケットレスサービスも同様だ。ほとんどの列車では、JR各社内または特定新幹線区間でしか完結せず、それ以外はネット予約の後、切符を受け取るという前時代的な流れが残っている。日本国内に住む人ですら戸惑う状況で、みどりの窓口に並ぶ外国人旅行者はなおさらだ。
「なぜスマホひとつで国内JR線の移動が完結しないのか」
と疑問に思うだろう。
残念ながら、JR各社は日本人・外国人を問わず、会社をまたぐ利用者に非常に冷たい。今後、クレジットカードのタッチ決済の全国対応という外圧も迫ってくる。現状のJRの仕組みと比べれば、どちらが便利かは明らかだ。JR各社が独自に旅客を囲い込んできた歴史が重くのしかかり、JRグループ主導による統一システムや全国チケットレスは
「夢物語」
のようにも思える。しかし、今回の連携がその第一歩となるのを願うばかりだ。