JRはなぜ「全国一括予約」できないのか? 1アカウントで使えない“縦割り構造”の実態

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JR東日本、JR東海、JR西日本、JR九州はネット予約サービスの連携を開始する。だが全国統一には程遠く、東北では鉄道利用者が依然割を食う。複雑な割引体系と会社間の壁が、利便性向上の足かせとなっている。

JRによって異なる取り扱いエリア

ネット予約サービスの連携(画像:JR東日本、JR東海、JR西日本、JR九州)
ネット予約サービスの連携(画像:JR東日本、JR東海、JR西日本、JR九州)

 JR4社の予約システムを比較すると、入力方法に多少の差はあるが、それ以上に取り扱いエリアの差が大きいことに驚かされる。まずJR東日本の「えきねっと」を試してみる。利用ガイドには

「全国の新幹線・JR特急列車の申し込みができる」

とある。JR4社が連携しなくても、えきねっとだけで十分に思えてしまうほどの利便性だ。

 しかし、紙の切符を受け取れる場所は限定されている。JR東海エリアでは指定席券売機のみでの受け取りに限られる。JR西日本では北陸新幹線の各駅と七尾駅・和倉温泉駅の券売機や窓口だけだ。この点に、JR1社単独のネット予約サービスの限界が見える。

 JR東海は在来線の切符をネットや電話で予約するサービスを提供していない。ウェブサイトでは

「なお、JR西日本・JR東日本が提供するネット予約サービスで予約したきっぷは、当社の駅で受取が可能です」

と案内している。在来線の切符をネットで予約したい人は、えきねっとかe5489を利用するよう誘導されている。新幹線に特化した戦略は、さすがJR東海といった印象だ。

 JR西日本の「e5489」は取り扱いエリアに北限がある。新潟地区や那須塩原、いわきまでしか予約できない。その代わり、JR四国やJR九州エリアでも利用可能だ。最後にJR九州のインターネット予約サービスを見る。取り扱いエリアは九州・山陽新幹線に加え、JR九州とJR西日本の在来線特急列車に限られる。JR東海やJR東日本エリアを跨ぐ場合は、他社のネット予約サービスを使う必要がある。ここに、JR九州の割り切った戦略が見える。

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