クロネコヤマトが「バス」に大変身? 北海道で始まった「逆貨客混載」、ドライバー不足解消の切り札になれるのか
北海道奥尻町とヤマト運輸は人口約2100人・高齢化率41%の離島で、宅配車両を活用した公共ライドシェアの実証運行を開始した。乗客と荷物を同時に運ぶ貨客混載の逆転モデルで、地域の交通空白解消と副業ドライバーの活用に挑む先駆的施策である。
離島に生まれる新交通モデル

北海道奥尻町とヤマト運輸は2025年8月29日、貨客混載型の公共ライドシェアの実証運行を開始した。ヤマト運輸の集配用ワゴン車両を活用し、地域住民や観光客の移動を支える新たな交通手段として、離島特有の時間的「交通空白」の解消を目指す。実証運行は12月末までで、期間中は無償で提供される。
運行にはヤマト運輸のセールスドライバーが、日中の業務時間帯の空き時間を活用する。車両は宅配便と乗客を同時に運ぶ貨客混載方式だ。
この実証運行は、国土交通省の「『交通空白』解消緊急対策事業(令和7年度『交通空白』解消等リ・デザイン全面展開プロジェクト)」に採択された「奥尻島民で助け合い『島のりあい』実証プロジェクト」の一環である。
同町は北海道南西部の日本海に浮かぶ離島で、人口は約2100人。高齢化率は約41%に達し、
・日常の買い物や通院
・観光客の周遊
などでの移動手段の確保が喫緊の課題となっていた。
乗客を乗せた路線バスに宅配便を載せる貨客混載はこれまでにもあった。しかし逆に、宅配便の集配用ワゴンに乗客を乗せる事例はほとんどない。筆者(菅原康晴、フリーライター)が知る限り、郵便局が北海道上士幌町で行った実証運行を除けば前例はない。