クロネコヤマトが「バス」に大変身? 北海道で始まった「逆貨客混載」、ドライバー不足解消の切り札になれるのか
北海道奥尻町とヤマト運輸は人口約2100人・高齢化率41%の離島で、宅配車両を活用した公共ライドシェアの実証運行を開始した。乗客と荷物を同時に運ぶ貨客混載の逆転モデルで、地域の交通空白解消と副業ドライバーの活用に挑む先駆的施策である。
公共ライドシェアの実証運行

こうした貨客混載を推奨する立場にある国土交通省は、2017年6月に自動車運送業の生産性向上を目的とした通達を発表している。この通達では、旅客自動車運送事業者がバスやタクシーで貨物を運ぶ場合に加え、貨物自動車運送事業者がトラックで旅客を運ぶ場合についても基準を定めた。
当初は過疎地域に限定され、最低車両台数や積載可能な貨物重量などの許可基準が設けられていた。この時点で、今回の奥尻町の実証運行のようなケースも想定されていたのである。
ただ、実際に普及が進んだのは、ほぼ旅客自動車運送事業者がバスやタクシーで貨物を運ぶケースに限られていた。今回の実証運行で注目すべきは、公共ライドシェア制度(自家用有償旅客運送)を活用している点である。運行車両にはヤマト運輸の集配用ワゴン車だけでなく、
・町管理車両
・町リース車両
も含まれる。町民ドライバーが副業や地域貢献として参加し、主に夕方から夜間の観光や生活移動に対応するという仕組みだ。
今後は、実証結果を踏まえて本格運行(有償運行)に向けた準備が進められる。ニーズやコスト、体制、制度面の整理を行い、運賃や報酬水準の決定、予約・配車の委託スキーム、町民ドライバーの継続的な確保と育成を図る方針である。ライドシェアには賛否があるが、これまでの貨客混載とは逆のパターンである点には今後も注目が集まるだろう。