ドライブレコーダーちゃんと付けてる!? 神奈川&大阪の設置率が「東京」を上回った根本理由とは
神奈川82%、大阪80%、東京76%──ドライブレコーダー設置率で首都圏を抜いた背景には、都市構造や日常運転の実態、経済環境、報道や防犯意識が複雑に絡む現実がある。
設置率トップは神奈川・大阪

ダイレクト型自動車保険を扱うアクサ損害保険の「47都道府県 ドライバー県民性調査2025」(2025年10月30日発表)によると、自家用車へのドライブレコーダー(ドラレコ)設置率は、神奈川県が82%、大阪府が80%、東京都が76%という結果になった。首都・東京を神奈川と大阪が上回るこの順位は、車両保有台数や事故件数の多寡だけでは説明できない。
この普及率の差は、地域ごとの「日常的な車の使われ方」と、それにともなうリスク意識の構造の違いを強く映し出している。神奈川県の場合、横浜や川崎といった大都市圏を抱えながらも、郊外や観光地を含む広い生活圏が車中心の移動に依存している点が特徴だ。都市部の混雑と開けた道路環境が混在するため、あおり運転から駐車場トラブルまで、多様なリスクが日常的に存在する。このリスクの多角化が、記録手段としてのドラレコの早期浸透を促したと考えられる。
一方、大阪府では、中心部の交通過密に加え、物流や営業車といった業務車両の稼働率が非常に高い。運転トラブルの記録が「仕事上のリスク管理」として認識されやすいため、企業ドライバーを中心に普及し、その後、一般ユーザーへと波及した可能性が高い。
対照的に東京都は、設置率自体は高水準ながらも、鉄道網の圧倒的な発達やカーシェアの利用増加により、長距離の自家用車運転を前提とする生活者が相対的に少ない。この「運転の非日常化」が、ドラレコ設置の意識の広がり方に影響を及ぼしていると考えられる。人口や事故件数といった表面的な数字では見えない、地域ごとの「車の役割」の違いが、この順位変動の決定的な要因となっているのだ。