優先席「譲らない勇気」が話題に! SNSで10万いいねの現実、 「高齢者vs子ども連れ」を避ける方法とは?

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2025年9月、SNSで10万いいねを集めた「優先席譲らず」投稿を契機に、公共交通の優先席利用を巡る摩擦が浮き彫りになった。調査では66.9%が必要に応じて座ると回答。年齢や外見だけでは判断できない事情にどう対応すべきか、制度と社会の在り方が問われている。

鉄道優先席の誕生

優先席のイメージ(画像:写真AC)
優先席のイメージ(画像:写真AC)

 日本で優先席が本格的に導入されたのは1973(昭和48)年だ。当時の国鉄が東京・大阪の中央線快速などに「シルバーシート」として設置したのが始まりである。私鉄でも同日、伊豆箱根鉄道駿豆線と大雄山線で国鉄のシンボルマークを参考に、同じ名称で導入された。

 シルバーシートという名前は、高齢者向けに他の座席と区別するため、座席の布地を銀色にしたことに由来する。当時、在庫があった新幹線0系のシルバーグレー布を使ったため、この呼び方が定着した。

 導入当初は車両の先頭や後尾の端にしか設置されなかったが、やがて各車両の一端に拡大された。近鉄や京成、都営地下鉄などでは2010年代後半に両端に優先席を設ける事例も出ている。

 1990年代後半からは、利用対象が高齢者や身体障がい者に加えて、妊婦や乳幼児連れなどにも広がった。そのため、「シルバーシート」という名称から「優先席」や「優先座席」と呼ぶ鉄道事業者が増えた。関東の私鉄では、つり革や床の色を変えて優先席を目立たせる工夫も進んでいる。

 また、低床バスでは最前部の席がホイール上に設置されており、段差を乗り越える必要があることから、事業者は安全のためシートベルトを設置したり、優先席対象者に使用を控えるよう呼びかけたりしている。安全と利便性を両立させる工夫が求められている。

 なお、わかもと製薬(東京都中央区)が2023年9月に行った調査では、1949人に「電車に乗った際、優先席に座ることがあるか」と尋ねたところ、

「66.9%」

が「座ることがある」と答えた。その理由として、「その席を必要とする人がいたら譲るつもり」「席が空いているのに立つと邪魔になる」「高齢だから」「その席しか空いていないから」「疲れているから」といった意見が挙がった。この結果から、

「優先席 = 特定の人だけが座るもの」

という固定観念より、状況に応じて誰でも座ることがあるという考え方の方が一般的だとわかる。

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