なぜ「移動するレストラン」に人は熱狂するのか? JR九州「ななつ星」から「レストランバス」まで広がる新市場とは

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列車やバスでの食体験が、地域観光と地場産業を活性化している。JR九州「ななつ星」の数十倍競争率や、レストランバスの1万~2万円コースなど、移動と食を組み合わせた新たな経済圏の広がりに注目が集まる。

レストラン列車の魅力

「西武 旅するレストラン 52席の至福」のウェブサイト(画像:西武鉄道)
「西武 旅するレストラン 52席の至福」のウェブサイト(画像:西武鉄道)

 現在は、より手軽に楽しめるレストラン列車が各地で運行している。

 例えば、西武鉄道の「西武 旅するレストラン『52席の至福』」は、都心から秩父方面への食事付き乗車プランである。おみやげも付く。9月は、埼玉県東松山の「VIA DEL SALE(ヴィア デル サーレ)」鈴木勇シェフによるイタリアンのコースを提供した。メニューには、高級地鶏である彩の国地鶏タマシャモを使ったラグーのパスタなど、地域食材がふんだんに盛り込まれている。

 その他にも、「TOHOKU EMOTION(東北エモーション)」は、調理される様子を目の前で楽しめるライブキッチンスペース車両を連結している。往路では三陸の食材を使用したフレンチのコースを、復路ではオリジナルデザートを提供する。

 さらに「一万三千尺物語」は、立山連峰から富山湾までのダイナミックな景観の中を走行する。富山湾鮨コースには、旬の地魚を使った車内で握りたての鮨8貫を含む和食が用意されている。

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