岐路に立つ日本EV! 日産失速、後発スズキが挑む逆転シナリオ――軽EV戦略で描く国内復活の道

キーワード :
, , ,
日産とスズキのEV展開は対照的で、リーフは2025年7月719台と販売失速。一方、スズキはトヨタ支援で軽EV「eビターラ」を投入。国内EV比率1~2%の低水準が示す課題と、産官学協働による競争力強化の必要性が浮き彫りになる。

産官学連携の可能性

東京電力エナジーパートナーによるリーフのページ(画像:東京電力エナジーパートナー)
東京電力エナジーパートナーによるリーフのページ(画像:東京電力エナジーパートナー)

 日本格付研究所のリポートによると、2025年3月期の日系上場自動車メーカー8社の設備投資は4.2兆円で過去最高を記録した。2026年3月期はさらに8.0%増の計画と予想される。研究開発費も2025年3月期で4.0兆円に達し、翌期はさらに増える公算が大きい。

 増幅の背景には、EVと内燃機関搭載車の開発を並行で進め、DX化にともなう自動車の知能化への設備・研究投資が重荷になっていることがある。このままの状況が続けば、企業単独での吸収は困難になりかねない。

 EVを含む国際競争は激化している。日産は再建過程でリストラを進めるなか、EV投資の負担が重く苦しい状況だ。一方、スズキは規模では劣るものの、トヨタグループのノウハウを取り込むことで投資効率を高めている。

 日本のEV製造環境を改善するには、「協働」がカギとなる。中国科学院のような国主導の研究開発成果の波及や、企業支援(電池、半導体、ソフトウェア)、地域拠点を越えた共同利用型EV研究施設の設置など、産官学の協働が不可欠だ。企業活動であることは理解できるが、自動車産業を活性化させるには産官学連携が欠かせない。

 実際に提携や共同開発の動きも出ている。ホンダとソニーによるソフトウェア重視の新会社設立、トヨタ・マツダ・パナソニックのバッテリー生産拠点共同建設、日産・ホンダによるソフトウェア共有の模索、スズキ・トヨタグループのノウハウ融合などだ。日本勢全体でEVの標準化を進めれば、国内の競争力はさらに高まる可能性もある。電池規格や充電規格、OSの共通化などが具体例となる。

全てのコメントを見る