岐路に立つ日本EV! 日産失速、後発スズキが挑む逆転シナリオ――軽EV戦略で描く国内復活の道
バッテリー課題の行方

東京電力エナジーパートナーはリーフの情報をまとめて公開している。EVのコストの約3~4割はバッテリーが占めており、高止まりが続いている。バッテリー寿命の正確な予測は学術研究でも議論が分かれる。リーフは最低30kWh、大型モデルでは90kWhを超えるバッテリーを搭載しており、交換が必要になれば80万円から200万円弱の費用が発生する可能性がある。軽自動車EVのサクラ(20kWhバッテリー)でも、交換費用は40万円から80万円程度が想定される。
技術革新によるバッテリー価格の低下が期待されるが、日産はAESC製電池の歩留まり改善が進まず、供給不足から生産計画を下方修正している。EV価格の引き下げも難しく、日産EV離れが進む状況も理解できる。
一方、スズキはトヨタ・ダイハツとの共同開発で、車台と電池を共有する戦略を採用した。新たに開発したEV向けプラットフォーム「HEARTECT-e」を用い、駆動方式は前輪駆動(FWD)と四輪駆動(4WD)の2種類を揃える。4WD仕様には、前後ふたつの電動アクスルを搭載する「ALLGRIP-e」を採用し、BluE Nexusが供給する。駆動用バッテリーには、エネルギー密度はやや劣るものの、コストと安全性に優れたリン酸鉄リチウムイオン電池を採用している。
スズキはトヨタグループとの協働とバッテリー選定により、二輪駆動モデルで税込み399万3000円からの価格を実現した。小型スポーツタイプ多目的車(SUV)のeビターラは汎用性も高く、イニシャルコストが抑えられ、メンテナンス体制も整えば、国内ユーザーのEV選択肢として魅力的だ。課題は依然バッテリー価格であり、材料の国際分散調達やリサイクルによるコスト削減の仕組みも必要になる。国内では住友金属鉱山やJX金属が研究を進めている。