アメ車「品質低下」の一途? リコール急増の米フォード、信頼失墜で日本車が世界の模範となるか
- キーワード :
- 自動車
フォードのリコール件数は2025年に100件を突破し、過去最多を更新した。損失は直近3年で数千億円規模に膨らみ、株価は半値に低迷。日本車との差が鮮明となる中、米メーカーは品質文化をどう再設計できるのかが問われている。
日本流手法の導入限界

トヨタやレクサスの工場は、数多くの品質賞を受賞している。高岡工場やカナダ工場はJDパワー工場品質賞を受賞し、国際的にも高く評価されている。
これに倣い、米メーカーの一部では、日本メーカーの
「カイゼン」
「ゲンバ・ウォーク」
といった品質改善手法を導入し始めている。しかし、単なる模倣では限界がある。米国の文化や組織風土に合わせた再設計が必要であり、米メーカーが取り組むべき本質的課題となっている。
今後の改善策としては、ソフトウェア主導の開発体制統合や、無線アップデート(OTA)による初期不具合の削減が挙げられる。早期の市場フィードバックの活用や、AIや統計手法による品質データ解析の高度化も、将来的なリコール削減に寄与するだろう。
さらに、新興市場向けに信頼性を価値として再定義すれば、販売後の利益率を維持する戦略が可能になる。また、日本車の強みを活かし、日米メーカーが共同で品質基準を策定し、国際的な人材交流を通じて品質文化を普及させることも検討に値する。