アメ車「品質低下」の一途? リコール急増の米フォード、信頼失墜で日本車が世界の模範となるか
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フォードのリコール件数は2025年に100件を突破し、過去最多を更新した。損失は直近3年で数千億円規模に膨らみ、株価は半値に低迷。日本車との差が鮮明となる中、米メーカーは品質文化をどう再設計できるのかが問われている。
米日メーカー格差鮮明

NHTSAが公表するリコール件数の過去10年間の推移をまとめると、近年は年間で1000件前後のリコールが発生している。
そのなかでフォードの占める割合は、ここ数年で4%から6%に増加した。2024年のフォードのリコール件数は67件だったが、今年はすでに109件に達し、異常事態であることを示している。
GMやステランティス傘下の旧クライスラーのリコール件数は、年間平均で約40件前後にとどまる。一方、日本メーカーのトヨタ、ホンダ、日産はその半分程度で、品質管理の差が数字に表れている。
米国市場の販売台数に対するリコール率を2024年実績で算出すると、フォード、GM、旧クライスラーの3社平均は33PPMだったのに対し、日本メーカーの平均は14PPMにとどまった。リコール発生の頻度でも日本メーカーは低く、品質管理体制の成熟度に大きな差があることを裏付けている。