「自民党は話にならん」 北陸新幹線“大阪延伸”迷走、もはや小浜派・米原派ともにうんざり――党内混乱で前に進めない現実とは
大阪府が米原ルート検討を国交省に要請

沿線と周辺の府県では、福井、富山、滋賀の3県が小浜・京都ルートを推す。これに対し、石川県では小松市など南加賀地方の自治体、金沢経済同友会などに米原ルートへの変更を求める声があり、大阪府は参院選京都選挙区の結果を踏まえ、
「米原ルート再考」
を訴えている。
勢いを増しているのは米原派だ。石川県金沢市で8月に開かれた北陸新幹線建設促進石川県民会議の総会では、小浜・京都ルートでの認可・着工が3年連続で見送られていることを問題視、京都の課題解決について年内にめどをつけるか、解決のめどが立たないなら米原ルートを含めて方策を早急に検討するよう求めることを決議した。
馳浩石川県知事は小浜・京都ルートを否定していないが、「いつまでも待っていられない」としている。金沢市片町の飲食店主は
「北陸新幹線は京都、大阪とつながって初めて意味を持つ。参院選後、ルートを再検証すると聞き、すぐに米原ルートで決着すると思っていたのに」
と与党の動きがストップしていることに首をかしげる。
小松市総合政策部は「建設コスト上昇など着工の前提条件が変わってきた以上、米原ルートがよい。全国的な議論のうえで1日も早い全線開業を望んでいる」と述べた。
大阪府は8月上旬、米原ルートの再検討を求める要望書を国交省に提出した。小浜・京都ルートで建設費の上振れが想定されるためで、吉村洋文知事は記者会見で「米原ルートも比較検討をして判断するほうが1日も早い全線開業につながる」と述べている。
しかし、再検証は一向に進まない。大阪市西成区の会社役員は
「小浜・京都ルートが動かない以上、早期開通できそうなところを探す知事の動きは当然。それに比べ、国政そっちのけで党内抗争に明け暮れる自民党は話にならん」
と憤りを隠さない。
小浜・京都ルートを推してきた大阪府が米原ルート検討にかじを切ったこともあり、関西広域連合や関西経済連合会などは8月下旬に大阪市で開催を予定していた小浜・京都ルート推進のシンポジウムを中止した。