日本の電機メーカーはなぜ「物流子会社」を手放すのか? パナソニックHD物流部門の今後と自前主義の限界
日の丸電機メーカー系列の物流子会社は再編が加速する。三菱電機ロジを572億円で買収したセイノーHDは売上7374億円へ増加。旧日立物流は9107億円で拡大し、パナソニックHDの物流部門もM&A標的の焦点となっている。
三洋ロジ買収の意味
三洋電機ロジスティクスは、2012(平成24)年に三井倉庫に買収されている。他の日の丸電機メーカー系列の物流子会社とは歩みが異なる。
パナソニックによる三洋電機買収の際、三洋電機ロジスティクスは重複事業解消の一環として投資ファンドのロングリーチグループに売却され、2010年に上場を廃止していた。
三井倉庫は、倉庫事業単独では経営が厳しくなっており、同時期に3PL(サードパーティー・ロジスティクス)に力を入れ始めていた。3PLは、荷主に効率的な物流システムを提案し、包括的に受託して実行する仕組みである。
三井倉庫に足りなかったのは輸送の実行部隊であり、三洋電機ロジスティクス買収は必然だったのかもしれない。買収後の2013年3月期決算の売上高(連結)は1482億円で、前年から409億円増加した。
2016年には、ソニーサプライチェーンソリューションのロジスティクス事業を三井倉庫HDとソニーの合弁会社に移管した。M&Aも継続している。2025年3月期決算の売上高(連結)は2807億円だった。
中長期計画2022では、2027年3月期末の売上高目標を3500億円としている。巨大な総合物流企業と比べれば規模は決して大きくない。しかし、倉庫業からスタートした同社が、どこまで食い込めるかは注目される。