自動車ディーラーを蝕む「試乗マニア」の正体! 迷惑客か潜在顧客か――年間数百万のコストが示す境界線とは

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自動車ディーラーは年間大幅な試乗コストを抱える一方、SNS拡散力を持つ試乗マニアを潜在顧客に変える戦略が問われる時代に突入した。

試乗サービスの戦略化

BYDによる全国展示・試乗イベント(画像:BYDジャパン)
BYDによる全国展示・試乗イベント(画像:BYDジャパン)

 ディーラー以外が主催する有料試乗サービスも利用可能だ。試乗できる車種は幅広く、1日単位での利用もできる。長時間や長距離の試乗により、じっくりと車を体験でき、異なるメーカーの比較も可能となる。

 電気自動車(EV)の販売では、長時間試乗や試乗レンタルによって、航続距離や走行中の電池切れに対する不安を取り除いた例もある。試乗はただのコストではなく、

「販売プロセスへの投資」

と捉える発想の転換が必要である。

 2022年に日本市場へ再参入したヒョンデや、新規参入した中国EV大手の比亜迪(BYD)は、消費者にブランドを浸透させる手段として積極的に試乗キャンペーンを展開している。全国的なディーラー網がなくても、全国規模の試乗会を頻繁に開催し、顧客の裾野を広げるブランディングを実践している。

 試乗マニアのなかには、購入につながらない一部のリピーターもいる。短期的にはディーラーの負担となるが、長期的には

「ブランド接点を広げる機会」

として捉えられる。SNSへの投稿を通じて潜在顧客の裾野を広げる効果も期待できる。

 ディーラーの課題は「試乗体験をいかに販売につなげるか」だ。試乗による体験価値を、購入やブランドイメージ向上に結び付ける戦略が求められる。車両価格の上昇や利用形態の多様化が進む中、試乗をコストから投資に再設計できるかどうかが、今後のディーラー競争力を左右するだろう。

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