大阪万博で注目「タクシー相乗り」 いったいなぜ?
- キーワード :
- タクシー
2021年導入のタクシー相乗りサービスは、大型イベントでの混雑緩和や料金抑制に効果を発揮。全国のドライバー数は2019年25.5万人から2022年20.9万人と減少傾向にあり、効率的な移動手段として業界・利用者双方に新たな価値を生む可能性がある。
タクシー相乗りの社会効果

タクシー相乗りサービスは、利用者やタクシー業界に多くの可能性をもたらす。加えて社会的メリットも存在する。
気軽に利用できるようになると、通勤・退勤時の交通手段の一つとして定着する可能性がある。ラッシュ時の混雑緩和や、悪天候時のタクシー乗り場の混雑解消にもつながる。
1台に複数人が乗ることにより、自動車の二酸化炭素排出量削減にも貢献でき、環境問題の改善にも寄与する。ただし、知らない人同士で同じタクシーに乗る場合、自宅や会社の前で降りないなどの犯罪リスクに備える自己防衛は必要だ。メリットが大きいことから、イベント向けの利用は今後さらに拡大する可能性が高い。
井ノ口弘昭氏、秋山孝正氏の研究論文『交通行動変化に着目した大規模イベント交通規制効果に関する分析』によれば、大規模イベント時の交通規制や自動車利用自粛は地域経済に大きな影響を与える。このため、今後は大型イベントの主催者側もタクシー相乗りサービスの積極的な活用を促す可能性がある。
前述の「ainori」は大型フェス、スポーツイベント、花火大会など混雑が想定されるイベントとの連携を順次拡大し、来場者の移動体験向上を支援する方針だ。
地方ではまだ提供されていない場合や、乗客間トラブルのリスクも課題として残る。しかし、こうした課題が解決されれば、手軽で安心安全なサービスとして普及する可能性は高い。加えて、大型イベント時の移動効率改善は、会場周辺の商業施設や飲食業の売上拡大にも直結するため、タクシー相乗りサービスの普及は地域経済活性化にも寄与することが期待される。