「世界最大のタイヤ」――その驚異のサイズとは!? キリンより高く、ゾウより重い圧倒的スケール感だった
超大型タイヤは一般道を走らず、主に米国の鉱山や建設現場で400t級車両の運搬に活躍。メーカーは耐久性や環境対応を重視し技術革新を続け、将来のさらなる大型化が確実視されている。
超大型タイヤの進化と世界最大の実像

これまでに製作された世界最大のタイヤは、1964年のニューヨーク万国博覧会のためにUSラバー社(現ユニロイヤル)が製造した「ユニロイヤル・ジャイアント・タイヤ」である。直径約24.4m、重量約11tという巨大なサイズで、高さ約12.2mの土台に設置され、見上げるほどの大きさだった。
タイヤには4人乗りのゴンドラが24台設置され、一度に最大96人を乗せられた。駆動は100馬力のエンジンで行われ、素材は難燃性のガラス繊維強化ポリエステル樹脂が使われていた。建造費用は当時75万ドルとされる。
博覧会終了後の1966年にミシガン州アレンパークへ移設され、現在はインターステート94沿いでゴンドラを外した静態展示として保存されている。移設にはトラック22台分の輸送が必要だった。
1994年にミシュランが買収後、ネオンライトの追加や外装の塗装などの改修を実施。1998年にはプロモーション用に巨大な釘が装着されたが、2003年に撤去され、同年デトロイトのI-94回廊再生プロジェクトの一環として100万ドルをかけた修復が行われた。
現在もアレンパークのランドマークとして保存され、2015年には50周年記念イベントも開催されている。