日本車に迫る80兆円の代償! 関税15%も「投資が重荷」――苦悩するメーカー、米中リスクと中国EVの挟撃にどう備えるか?
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関税15%への引き下げにより、日本の自動車業界は年7000億円規模のコスト削減が可能となった。一方で、米国の巨額投資要求や地政学リスクは依然重くのしかかる。米中対立や中国EVの台頭も進むなか、今、問われるのは「勝てる市場」の構築戦略だ。
対米投資の重い代償

関税率が15%に引き下げられたことに対し、自動車業界では安堵の声が上がっている。筆者(和田大樹、外交・安全保障研究者)の周囲にいる大手自動車メーカーの関係者からは、
「25%の関税は米国消費者への価格転嫁が不可避だった。15%なら値上げ幅を抑えられ、市場シェアの維持が可能」
との見方が出ている。一方で、
「関税軽減は歓迎だが、米国側の投資要求が重荷だ」
と複雑な本音も漏れる。ただし、楽観視はできない。米国政府は、状況次第で25%に戻す可能性に言及しており、先行きの不透明感は拭えない。不確実性が、投資計画や生産戦略に影響を与えるという懸念も根強い。
とくに、中小の部品メーカーの不安は深刻だ。ある中堅部品企業は
「15%でも利益率は圧迫される。大手の下請け構造では価格転嫁が難しく、コスト吸収を強いられる」
と語る。中小企業は資金力や交渉力に乏しく、関税の変動に対応する余地も限られている。