「走行距離課税」は本当に必要? 税収1兆円減――なぜ25年度導入議論加速? 電動化シフトが財源危機を招く

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電動車の普及と燃料税収の約1兆円減少を背景に、日本の自動車税制は「走行距離課税」の導入が急務となっている。若者の72.8%がクルマ離れを自覚し、カーシェア会員は50%増。公平性と技術課題、プライバシー保護が焦点となる中、国民的議論の深化が求められている。

プライバシー懸念と安全管理

さまざまな課題が残されている走行距離課税(画像:写真AC)
さまざまな課題が残されている走行距離課税(画像:写真AC)

 走行距離課税導入にあたっては、

・正確な走行距離の測定
・プライバシー保護

が最大の技術的課題となっている。オドメーターによる自己申告方式は改ざんや虚偽申告のリスクが高いため、海外ではGPS機能付きの専用車載器による自動記録方式が主流だ。

 GPS技術により高精度な走行距離の記録が可能になる一方で、個人の移動履歴や走行ルートなど詳細なデータも収集されるため、プライバシー侵害の懸念が強い。データ管理が不適切であれば情報漏洩や不正利用のリスクがあるため、情報管理体制やセキュリティ対策の強化が必須となる。

 海外ではプライバシー保護の観点から、GPS付き・なしの車載器やオドメーターなど複数の走行距離報告方法を選択できる仕組みや、取得情報を必要最小限に抑える方法も検討されている。こうした選択肢があれば参加者の懸念を軽減できる可能性がある。

 日本自動車連盟(JAF)が2024年に実施した自動車税制に関するアンケートでは、「走行距離課税に関する議論を知っている」と答えたのは33.3%にとどまった。また「これ以上自動車ユーザーの負担を増やすべきでない」と考える人が72.5%を占めた。一方で「電動車にも対応した公平な課税制度が必要だ」と回答したのは28.5%であった。これらの結果から、制度設計や社会的受容性の面で丁寧な議論と説明が求められていることがわかる。

 走行距離課税は財源確保のために必要かもしれないが、国民の家計を圧迫する可能性も大きい。特に自動車を頻繁に使う地方在住者や物流関係者、EVユーザーには大きな負担となるだろう。こうした点も踏まえ、国民的な議論が不可欠である。

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