「走行距離課税」は本当に必要? 税収1兆円減――なぜ25年度導入議論加速? 電動化シフトが財源危機を招く
電動車の普及と燃料税収の約1兆円減少を背景に、日本の自動車税制は「走行距離課税」の導入が急務となっている。若者の72.8%がクルマ離れを自覚し、カーシェア会員は50%増。公平性と技術課題、プライバシー保護が焦点となる中、国民的議論の深化が求められている。
電動車50%超の市場変化

走行距離課税導入の最大の理由は
「燃料課税収入の減少」
にある。国税庁の最新データによると、2023年度の燃料課税収入(揮発油税・地方揮発油税)は2兆2341億円、軽油引取税は9089億円、石油ガス税は約48億円で、合計3兆1478億円にとどまった。これは2021年度の4兆1356億円から約1兆円(24%)の減少を示している。
・車両の電動化
・ガソリン車の燃費向上
が主な要因であり、今後も減収傾向が続く見通しだ。
2023年の国内電動車(ハイブリッド車、電気自動車、プラグインハイブリッド車、燃料電池車を含む)販売台数は前年比26.6%増の200万9725台となり、電動車比率は50.3%で初めて5割を超えた。日本自動車販売協会連合会の発表でも、2023年の新車販売に占めるエコカーの割合は約50%となっている。この傾向が続けば、これまで燃料税で賄ってきた道路整備や維持管理の財源不足が深刻化することが懸念される。
ガソリン車の減少も顕著だ。2024年の燃料別新車販売台数は、ガソリン車が79万1128台(31.36%)、ハイブリッド車が154万2784台(61.15%)となり、ハイブリッド車が過半数を占める結果となった。電気自動車やプラグインハイブリッド車の割合はまだ小さいが、今後増加が見込まれる。
政府は2035年までに新車販売で電動車100%を実現する目標を掲げており、税収構造の転換は急務となっている。